mumu’s blog

映画で感情を乱しながらエッセイ書いています。

映画

魔女の宅急便

映画が好きだと自覚するずっとずっと前。 わたしは魔女の宅急便に出会って恋をした。 祖父が買ってくれた魔女の宅急便のVHS。何度も巻き戻して繰り返し見た。 ホウキに跨って空を飛ぶ主人公のキキに憧れた。わたしも空を飛びたかった。飛べると思っていた。…

2021年の問題作

もう12月なのかと腕時計に表示された日付が目に入り気付かされた。木の葉が地面をこする。本当は落ちたくなかっただろうに、赤や黄色に染まっているときはあんなに愛されていたんだから。まだ落ちて踏まれたくないだろうに。今年が終わろうとしている。今年…

ずぶ濡れのブラッド・ピット

わたしは所謂、胸糞映画が好き。 絶望や孤独はわたしの感情を育ててくれた。映画の中だけではなく、わたしは絶望と孤独の中で夢を見続てきた。その夢を追いかけて言葉を並べることが今に繋がっている気がするから、わたしはまだせめて映画の中くらいは取り返…

グッド・ウィル・ハンティングみたいに

グッド・ウィル・ハンティングを観たことがある人はこの世界にどれくらいいるだろう。 幼い頃に観たグッド・ウィル・ハンティング。その幼さは年齢ではなく心の若さ。おしゃぶりを咥えている子供の目を見て、その純粋で汚れを知らない瞳に写ってしまうのが怖…

ヘイト・ユー・ギブ(肌の差別)

ヘイト・ユー・ギブ(2018年公開) 2009年にアメリカで起きた事件を基にした作品。 黒人差別と表現されるそれらは、生まれ持った肌の色だけで疑いの目を向けられる理由になるということ。これはあくまでわたしの解釈であり、ネットで検索すると出てくる正しい…

たかが世界の終わりの息遣い

地元を離れた人がこっそりと感じる。 「もうここには私の居場所がない」 グザヴィエ・ドランが魅せる世界は呼吸の音が聞こえてくる。それはスクリーンに映る彼らの呼吸音なのか、見つめるわたしの呼吸音なのか。グザヴィエ・ドランの撮る世界をわたし達は体…

マッツ・ミケルセンの孤独

今日も孤独を感じる。 日本は面積に対して人口が多い。人だらけの国に暮らしていても、人は孤独を感じて人を求める。きっと人は孤独ではない時間を知っているからこそ孤独を感じられる。それは会いたいと思う人がいるから寂しさを感じられるように、ある意味…

タイタニックみたいな恋

タイタニックという名作。 言わずと知れたラブストーリー。 タイタニックを見ていると、羨ましいと思うことがある。恋愛をするということ。好きだけで駆け抜けること。 10代の頃にしたような好きって気持ちを最優先にしてなりふり構わず駆け抜けた青い恋愛を…

MCU最新作 エターナルズを観て

※エターナルズのストーリーにはほぼ触れません。 エターナルズを観て思ったことが何個かあったので残しておこうと思う。 ① 聴覚障害を持つ仲間が違和感なく彼らの生活に馴染んでいるのを見ていて、先日わたしがお話しをしたご家族のことを思い出した。 その…

最後の決闘裁判 感想(ネタバレ有り)

1386年フランス(ノルマンディー)で起きた強姦事件と決闘裁判。約600年前の史実映画。 本作は、騎士のジャン・ド・カルージュとその妻マルグリット、ジャンの友人ジャック・ル・グリの3人の視点で展開していく。 騎士ジャンを演じたマット・デイモンと、本作…