mumu’s blog

映画で感情を乱しながらエッセイ書いています。

タイタニックみたいな恋

 

タイタニックという名作。

言わずと知れたラブストーリー。

 

 

タイタニックを見ていると、羨ましいと思うことがある。恋愛をするということ。好きだけで駆け抜けること。

10代の頃にしたような好きって気持ちを最優先にしてなりふり構わず駆け抜けた青い恋愛を思い出す。もうあの頃のような恋愛はできない。それをタイタニックを観ていると思い出してしまう。

 

会いたくて仕方ない。好きで仕方ない。親や今の恋人のことはどうでもよくなる。目の前の新鮮な恋に走ってしまう。走り出したことには気付かないのに、いつの間にか手を取り合って駆け出しているような楽しいのに苦しいような思い返せば幸せとは少し違う恋愛。

 

理性や倫理から遠く離れて、考えるってことを麻痺させて駄目になってしまいたいと願っていたようにダメになる恋愛。

 

それが唯一生き残る方法みたいに、咄嗟にキスをする二人みたいな。真夏の寝苦しい夜のような気怠い関係が妙に心地良い恋愛。

 

そんな恋愛は自分を腐らせると気づいて、見極め方を身につけたようになって始まることを恐れて遅らせる。いつの間にか流れていく好意に気づいても、もう追いかけることも億劫でそれならそれでいいと人から向けられる好意を見送り続ける。

大人になって理性で止めた恋が何個あったかな?と思う。

タイタニックの二人みたいに、もう一度だけ手を取り合って理性や倫理から逃げ切って立ちはだかる現実に痰を吐きかけて大笑いしながらどうにもならない幸せに浸ってみたいと思う。

それが沈んでしまう船だとしても。傷ついてボロボロになってしまうとしても。

そんな恋愛ができて、いろんな意味で体力のあった10代をタイタニックは思い出させてくれるから好き。

 

 

 

 

それでも、今のわたしは

正装して同じベッドに横になって最期を覚悟して目を閉じる老夫婦に憧れを抱くのです。

タイタニックを観ると戻りたい過去と迎えたい未来を同時に突きつけられるので心がざわつきます。

こんなに長く書いてしまってバカみたいだけど、たまに観たくなる好きな映画ってことです。